むちうち・頚椎捻挫の診断と治療

むちうち損傷・頚椎捻挫

 交通事故やスポーツ外傷で脳脊髄液減少症やむちうちの後遺症を防ぐためには,受傷後の安静が必要です.むちうちの症状が軽い場合は,受傷直後はなんともなく,2-3日してから,肩こりかと思う程度の頚のはりが続きます.

ストレートネック

むちうち損傷の症状

 受傷直後の項部痛,頚椎運動制限,悪心,頭重感などが主症状
数時間~数日して上肢痛,上肢のしびれ,脱力感,頚部より肩部のこわばり感,頭痛を訴える場合があります.上位頚椎部の損傷のため,大後頭神経のみならず三叉神経領域, すなわち後頭部から眼窩部に鈍痛や放散痛を来すことがあります.
Barre-Lieou症候群
症状が改善されない陳旧例では,めまい,耳鳴り,眼精疲労,嘔気などが頭痛にともなって出現する場合がある.多種多様な愁訴のわりには他覚的所見に乏しいのが特徴です.

むちうち損傷の原因と病態

 追突事故や後方よりのタックル等,急激な外力が上半身にかかる際,頭部が静止の慣性により,とり残される結果,頚部は過伸展し,ついで屈曲して損傷します.また正面衝突や急停車では,反対に頚部は過屈曲し,ついで伸展して起こる頚椎部の損傷で,上部頚椎に衝撃が集中する傾向にあります.

むちうち損傷の診断と治療

 むちうち損傷は診断名ではなく,受傷機転から起こる諸症状のことをさし,症状を悪化させている因子(頚椎椎間板ヘルニアなどの器質的異常や社会的背景,精神面等)を見逃さないことが必要です.
レントゲンではストレートネック(頚椎の生理的前弯の消失)が多く認められます.
治療は受傷直後の頚部固定と安静が重要.疼痛が強いものには,カラー固定も必要となります.発症直後は消炎鎮痛剤,外用薬に加え,アイシング等急性疼痛の治療,5日-1週経過し,症状が落ち着いてから,頚肩甲部の筋緊張緩和などのリハビリを行います.

低脊髄圧症候群(脳脊髄液減少症研究会)

 交通事故などで症状の強い場合は,とにかく事後処理よりも安静を優先してください.
 難治性のむちうち症候群の中に低脊髄圧症候群と呼ばれるものが注目されています.後で症状が軽快せず,何ヶ月も通うより,最初の1週間安静をとることが大事だと思います.
 脳脊髄液減少症については医師の間に否定的な意見も多く,一般的な病名として認知されているわけではありませんが,国やマスコミでも取り上げられています.
 千葉県では千葉県健康福祉部疾病対策課アレルギー・難病対策室が,医療機関の実態調査を行っており,ホームページ上で脳脊髄液減少症の診療病院について診療可能な医療機関を公表しています.