突然死・心不全
近年はスポーツ指導者の医学知識の充実によってかなりの程度まで予防可能な,熱中症,高山病,潜水病などの外因性障害よりも,急性心不全,脳血管障害,過換気症候群,自然気胸などの内因性障害の方がしばしば問題となります.
突然死
突然死の原因は狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や,不整脈,大動脈瘤破裂などの心疾患が大半を占めますが,脳出血や脳動脈瘤破裂,てんかんや喘息重積発作なども原因となります.運動中では頻度は少ないものの,熱中症なども突然死の原因となります.
急性心不全―心臓性急死
若年者の突然死の原因は,心臓の筋肉に血液を送っている冠状動脈の先天性奇形と肥大型心筋症(スポーツ心臓との鑑別が重要)がかなりの部分を占めており,普段は無症状なため本人も知らず,激しい運動をして発症することが多くなります.
一方,中高年の突然死では。動脈硬化が基礎疾患にあり,血栓が心臓の冠状動脈を塞いで心筋が壊死する,心筋梗塞が圧倒的に多く見られます.
外傷でも心停止が起こります.デッドボールで心停止に陥った野球部員がAEDによって一命をとりとめたことは有名.
スポーツ心臓
スポーツ心臓は、強度の運動に耐えるために心臓が適応し,一回の拍動で多くの血液が送り出せるように
心臓が肥大した状態で,安静時の心拍数が50以下と環境に適応した,正常の状態とみなされています.
日常の運動が少ない人で,心肥大,極端な徐脈を認める場合は,拡張型心筋症・肥大型心筋症が疑われ,急激な運動に際しては注意しなくてはなりません.
心筋症や不整脈はスポーツ選手にとって突然死の原因となりうるため、問診によるメディカルチェックにとどまらず,精密検査が必要となることがあります.

