放射線と医療被曝

放射線と医療被曝|稲毛整形外科

放射線とは?

デジタル映像化処理

 病院などでよく使われている放射線はX線です.1895年にドイツの物理学者レントゲン博士により発見され,目に見えない光,不思議な光ということで「X線」と名付けられました.X線は,電波や光,または紫外線などと同じ電磁波であり,その違いは波長の長さです.したがって電波や光と同様に体や空間に残ることはありません.放射線の仲間にはエックス線のほかに,α(アルファ)線,β(ベータ)線,γ(ガンマ)線などがあり,その正体はα線がヘリウム原子核,β線が電子,γ線が電磁波です.

私たちはどれくらい放射線を受けているの?

線量(mSv)内訳
0.05胸部レントゲン撮影1回
0.1東京-ニューヨーク(片道)
0.5宇宙ステーション1日滞在
1一般公衆年間限度
2.4年間自然放射線
4胃のX線透視撮影
10CT撮影一回
50医療従事者年間限度
100救命時被曝限度国際基準
250白血球の一次的減少
500リンパ球の減少
1,000急性放射線障害(吐き気,倦怠感)

 X線検査に使用する放射線は,原爆に主に用いられるα線ではなく,TVや電子レンジなどで発生する電磁波の一種です.私達は普通に生活しているだけでも放射線を受けています.わかりやすく数値で表すと年間2.4mSV(ミリシーベルト)です.胸部のX線撮影は0.05~0.1mSVで,自然に浴びている放射線の二十分の一以下しかありません.大雑把に言うと,1週間戸外にいて宇宙や地表面から浴びている放射線と同等量の放射線を1回の撮影で受けることになります.

X線検査は必要?

 X線検査は健康,けが,病気などさまざまな情報を与えてくれます.もしX線写真によって異常がわかれば,その情報によって医師は,今後の適切な治療対策が立てやすくなります.またX線によるわずかな危険のために病気の発見や治療が遅れたり,そのために生命を失うようなことがあったりしてはならないのです.

X線は危険なの?

 普通,X線による影響はX線を受けた部分にしか現れません.具体的に言うと手の撮影では内臓や生殖器への影響はまずないということです.X線による影響は,200mSV以上のX線を一度に全身に受けない限り,身体に何らかの症状が現れることはほとんどないとされています.X線検査は目的がはっきりしているので目的部位以外の部分に照射されることはありません.また線量も非常に少なく体に残ることもないので心配はないといえます.

X線写真を何度も撮って平気?

 X線検査の線量は非常に少ないので,放射線の影響を心配されるよりも,病気や怪我を早く発見し,早く治療するほうが患者さんにとって大きな利益であると考えます.また,細胞や組織には放射線による損傷を修復する能力があるので、1度に大量の放射線を浴びるよりもはるかに安全といえます.安心して検査をお受けになってください.

妊娠中のX線検査,胎児への影響は?

 妊娠時期と検査部位によって検査を受けて平気かどうかは変わってきます.胃のバリウム検査や腹部の撮影などは避けたほうが良いと思われます.
 胎児による影響は受精後4ヶ月までが異常を起こしやすい時期で5ヶ月以降はかなり低くなります.また、異常を誘発する線量は100mSVといわれており,この線量は胸部の撮影を一度に1000回以上行わないと達しない線量です.このように通常の検査では奇形などの発生する可能性は極めて低いです.しかし、妊娠初期時は妊娠の自覚がなく確認が取れてないことがあるので,一般に妊娠可能な女性の検査は月経開始後10日以内が良いとされます.ご心配な方は医師と良くご相談されると良いでしょう.
 また,放射線以外の環境中の種々な要因で異常が発生する可能性も大きく,放射線被曝と関係ない先天異常児の発生率は重症なものから軽傷なものまでをすべて含めると,新生児100万人当たり約6万人,すなわち約6%あると言われています.

放射線被爆と放射能被爆

 X線検査による医療被爆ではカメラのフラッシュと同様,撮影部位に限られた一回限りの放射線を被曝します.原水爆実験やチェルノブイリ原発事故等で放出された放射線を出す物質(放射能)が体内に取り込まれて永続的に被曝する,放射能被曝(体内被曝)とは根本的に異なります.

MRI病院連携

当整形外科のMRIはオープン型で騒音・圧迫感が軽減されています.MRIは磁力により体内の水分を画像化するので,被曝は全くありません.稲毛整形外科では千葉大学医学部附属病院,千葉市立海浜病院,千葉市立青葉病院,国立千葉医療センター等近隣病院との連携により手術,精密検査の紹介を行っています.