骨挫傷とは

 最近ニュースでも見かける”骨挫傷”.病名にしていいのかどうかわかりませんが,骨の打撲のひどいものを骨挫傷と呼んでいます.

20年前MRIが一般的に普及し,筋肉や靭帯などの軟部組織の診断に用いられるようになり,骨の中の状態もわかるようになりました.そのなかで特定の撮影方法で腫れているところ(水分のおおいところ)だけを強調してみてみると靭帯損傷を起こすほどの外力を受けた患部は,骨の中も出血したり浮腫んだりしている様子が画像化されるようになったのです.

図は右膝を正面から見た内側側副靭帯損傷(黄矢印)のMRI画像です.外側(緑矢印のあるほう)から,タックルされ受傷しました,

強い力が外側からかかり,内側の側副靭帯が引き伸ばされて切れるわけですが,てこの支点となる外側の関節も,せん断力(すいか割りの原理)により,骨の内部にダメージを受けます.

単なる打撲でも2週間以上痛みが続く場合は,骨挫傷を疑う必要があります.

円板状半月板|新入生のクラブ活動選択にスポーツ整形外科

 入学式のこの時分,スーツ姿のご両親と連れ添われて,新入生が新品の制服に身を包み,登校する姿をよく見かけます.

 新入生のクラブ活動選択にスポーツ整形外科が何の役に立つのかと思われるでしょうが,入学して新しいスポーツを始めようという中高生,特に今まで膝や肩,肘を痛めたことがある新中学生は必見です.

たとえば,右図のような円板状半月板で膝を痛めたことがある方.膝の半月板が生まれつき大きく,上下の骨で挟まれやすく,負荷が増えると膝痛が,出やすい構造をしています.

幼稚園のころ,遠足に行くと必ず翌日膝や股関節の痛みを訴えたり,小学校で縄跳びが流行ると,ヒザの痛みや足の痛みが出ていた子は要注意です.また,お父さんが学生時代,膝円板状半月板や膝半月板損傷で手術していたりするとその可能性が高まります.

円板状半月板は症状がなければ予防的に手術することはありませんが,中学後半から高校にかけて運動量の増大に伴い,断裂することがあるので,どのスポーツをはじめるか,迷っている場合は,スポーツ整形外科でどちらがカラダに負担が少ないか相談されてみてもよいかと思います.

女子プロゴルファー古閑美保選手今期限りで引退

TFCC損傷

2008年度ツアー賞金王にも輝いた古閑美保選手の引退の一因となった左手首痛の原因となったTFCC損傷.

TFCCとは手首の関節の小指側にある三角線維軟骨とその周辺の靭帯の総称で,三角線維軟骨複合体と呼んでいます.

ラケットスポーツで多くみられ,特にゴルフやテニスで繰り返し起こるストレスに靭帯が劣化して靭帯損傷や軟骨損傷を起こします.

最近は見かけませんが,ゴルフ練習場のマット.クラブを強振してマットの端でダフったとき痛むところがTFCCです.(わたしだけ?)

レントゲンで損傷自体はわからないのですが,生まれつき尺骨(小指側の骨)が長い人は要注意です.

痛いときは冷やす?暖める?|日経新聞に掲載

 本日付の日本経済新聞土曜版に取材記事が掲載されました.

  テーマは「患部を冷やすか温めるか迷ったら…」

打撲・捻挫の初期治療はRest(安静)・Ice(アイシング・冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の頭文字をとり,RICEと呼ばれていますが,首の寝違いや筋違い,ぎっくり腰など急性期の痛みに対してもアイシングが有用です.

冷やしたほうがいいのか,暖めてもいいのか,一言でくくれる問題ではありませんが,迷ったらまず冷やしてみてください.

 

アキレス腱が切れる瞬間

ロッテ3─2オリックス(26日・QVCマリン)

オリックス39歳のベテラン北川選手がこの日の試合中に左アキレス腱断裂で途中交代.

一塁ベースを蹴った瞬間,「どーんっとなって、背骨に電流が走った。その瞬間『切れたな』と思った」

アキレス腱が切れる瞬間は,踵を蹴られた!ボールが当たった!感じといいます.

ストレッチング不足が原因と考えられますが,ストレッチを行っていたにもかかわらず断裂する場合もあり,一般的にアキレス腱断裂の基盤には腱の肥厚(変性)が存在すると考えられています.

アキレス腱断裂の患者さんは,断裂する前からアキレス腱に張りを感じていた方も多く,北側選手の場合も自主トレ中に発症したアキレス腱炎により,アキレス腱の弾力が減少していたと考えられます.

アキレス腱断裂は保存療法も行われますが,アスリートの場合は,筋力低下や再断裂の少ない手術療法が選択されます.しかし,手術しても保存療法に比べて4-6週間早くランニングが可能となりますが,スポーツ復帰にはどんなに早くても半年以上かかります.