腰椎分離症の診断と治療|腰椎分離症の分離部の動きをレントゲンで見てみた

腰椎分離症は,成長期の過度な運動により起こす疲労骨折の一つと考えられています.腰で疲労骨折を起こす場所は腰椎の後方部分(右図黄矢印),椎間板の反対側で椎弓という部分.腰を反らすと骨折して炎症を起こしている部分が圧迫されて痛みを生じます.

ある程度腰椎分離がはっきりしてくると通常のレントゲンでも見つかることがあります.右図の分離症の写真にカーソルを合わせると後屈時の写真になりますが,後屈時は分離部の隙間が狭くなることがわかります.

通常分離していなければ動くことのない椎弓部分ですが,分離症では後屈させると,分離部(黄色の矢印の部分)がガバガバに動いています.この状態になると完全に治すこと(疲労骨折した椎弓部分が骨癒合して動かなくなること)は難しくなります.

腰椎分離症の治療は成長期であれば,骨癒合が期待できるので,硬いコルセットで腰を固定するのですが,数カ月にわたる運動禁止が必要となります.また運動禁止して固定していれば必ず治るというわけではありませんから,初期治療が大事になってきます.

腰椎分離症がレントゲンではっきりわかる時期はかなり進行した状態といえます.分離症の初期ではレントゲンやCT,MRIでもはっきりしませんが,理学所見である程度判断できますので,はやめにスポーツ整形外科を受診してください.

ぎっくり腰の取材記事が夕刊フジに掲載されました

掲載記事ぎっくり腰夕刊フジ2012年4月19日

 4月になり,新しい生活が始まった方も多いと思います.

 引越しで腰を痛めたり,長時間のデスクワークで腰痛を発症したり,いままで腰痛の経験がなくても,ぎっくり腰を起こすことがあります.

 重いものを持ち上げるときは,必ずしゃがんで膝で持ち上げるようにしてください.

 長時間デスクに向かっている方は,座り方に注意.背筋が伸ばせるように椅子を調整してください.調整の仕方は稲毛整形外科ホームページの腰痛対策・予防をご覧ください.

腰椎圧迫骨折|セメント注入

腰椎圧迫骨折バルーン療法暑い夏も終わり,勉強の秋.千葉でも研修会が目白押し.

当院で先進医療を行っているわけではありませんが,最新の医療情報に触れておくことは患者さんの治療の選択肢を広げる意味でも開業医といえど必須です.

昨日の研修会では,今まで治療が困難だった陳旧性腰椎圧迫骨折にラブ注入ならぬセメント注入療法が紹介されていました.当院にもときどき,この手術をインターネットで知った若い世代の方が,お母さんをつれてご相談に来られます.

わかりやすくセメント注入療法と紹介しましたが,正式にはバルーン椎体形成術(BKP)といい,背骨がつぶれてしまったいわゆる腰椎圧迫骨折に骨セメントを注入し,固まらせることで痛みを改善させる手術で,手術直後より痛みがなくなるというもの.現在のところ,急性期の圧迫骨折には適応がなく,背骨の骨折から8週間以上経過してもなお痛みと変形が続いている場合に適応があります.

2000年代前半から一部の施設で自費で行っていた手術ですが,2011年1月から健康保険適応となりました.受傷直後に行う施設もあるようですが今のところは陳旧例にかぎり行うよう推奨されています.

千葉県内でも千葉大学医学部附属病院他,4施設で手術を受けることが可能.詳細は骨粗鬆症性椎体骨折に対するバルーン椎体形成術(BKP)をご覧ください.

PS 夢のような治療法ですが,現在のところ手術適応(手術対象となる病状かどうか)はかなり限られています.最終決定は手術をする先生と相談される必要がありますが,いきなり大病院に殺到するのではなく,近くの整形外科医に評価してもらい,手術適応があるかどうかあらかじめご相談されることをお勧めします.

腰椎椎間板ヘルニア|2枚じゃだめなんですか


肩こりや腰痛でレントゲンを撮るときは,正面からと側面からの二枚に加え,前屈,後屈時の側面像を加えて撮影します.

右図は,一見正常に見える腰椎側面の写真です.写真にカーソルをあわせて,前屈時の状態を比べてもらうと,第4第5腰椎の間にある椎間板(矢印部)の動きが,他の椎間板に比べて大きい(ぐらぐらしている)ことがわかり,椎間板ヘルニアや椎間板症を起こしていると予想できます.

ぎっくり腰| 日経新聞に掲載

日経プラス1ぎっくり腰 今日の日経新聞にぎっくり腰の取材記事が掲載されました.

ぎっくり腰の9割は3,4日で治る急性腰痛症ですが,腰椎椎間板ヘルニアや,腰部脊柱管狭窄症,腰椎圧迫骨折もその中に隠れており,それを見つけるのが整形外科医の仕事です.

今春,くしゃみをしてぎっくり腰になり,当院を受診した患者さんは腰椎圧迫骨折.今月患者さんが再来され,”やはり進行癌でした”とのこと.

癌転移の場合,原発巣の症状が出る前に転移部の病変で発症することも少なくありません.たかがぎっくり腰,ですがご注意を.