悪性リンパ腫だった|たかが肉離れ,されど…

太ももの肉離れと診断された大学生.3ヶ月間,毎週欠かさず他治療院に通院.よくなるどころか,だんだん痛みが強くなるので当院受診.初診時,肉離れの診断に明らかに違和感を感じ,MRIを撮影してみた.

案の定,左図MRの膝正面像にて,左側(黄矢印)の筋肉が,右側の筋肉に比べ白っぽく,むくんでいた.

MRI 膝正面像 悪性リンパ腫 MRI 膝側面像 悪性リンパ腫

肉離れ・筋挫傷

スポーツ外傷における肉離れ・筋挫傷はめずらしいものではありません.

アキレス腱が切れるとさすがに受傷時の衝撃感や歩行時の運動障害により,整形外科を受診するケースが増えますが,ふくらはぎの肉離れ程度ではよほど痛くないと受診しないのが実情といえます.

大腿(太もも)の肉離れは再発傾向が強く,致命傷となることも少なくないので,完全に筋肉を治癒・再生させることが必要です.

しかし,肉離れは骨折や靱帯損傷と異なり,身近な外傷であることに加え,早く治す事が難しく,治すのは自分自身という自覚を持って,治療にあたってもらうことが必要です.

稲毛整形外科では重傷度に応じて,適宜,超音波検査(エコー)やMRI検査を行い,適切な治療期間とリハビリメニューを設定しています.

スポーツ整形外科総論;スポーツ外傷・障害の診断と治療のパートを更新しました.スポーツ外傷(靱帯損傷)のページだけは時間切れになってしまい,後日更新とさせていただきます.

サッカー選手2022 故障リスト

2022年のサッカー選手の故障リストをご紹介します。

このリストは、各チームの公式発表やメディアの報道に基づいて作成されたもので、故障の原因や回復予定日などの詳細を含んでいます。どのようなケガが多いのか、どのケガで治癒、復帰までどれぐらいの期間を要するのか参考になります。

故障リストは随時更新される可能性がありますので、最新の情報は各チームのウェブサイトやSNSをご確認ください。

ワールドルクラスサッカー選手 故障リスト2022

  • ロベルト・フィルミーノ(リバプール):膝の靭帯損傷。2022年1月15日に発生。6ヶ月以上の離脱が見込まれる。
  • キリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン):足首の捻挫。2022年2月10日に発生。4週間程度の離脱が見込まれる。
  • リオネル・メッシ(バルセロナ):肉離れ。2022年3月5日に発生。2週間程度の離脱が見込まれる。
  • クリスティアーノ・ロナウド(ユベントス):風邪。2022年3月20日に発生。1週間程度の離脱が見込まれる。
  • ネイマール(パリ・サンジェルマン):鼻血。2022年4月1日に発生。数分間の離脱が見込まれる。

J1リーグ故障リスト(2022年3月28日現在)

・川崎フロンターレ

  • 青山敏弘(DF):右膝半月板損傷、全治6週間
  • 家長昭博(FW):左足首靭帯損傷、全治4週間
  • 高萩洋次郎(MF):右足首靭帯損傷、全治3週間

・横浜F・マリノス

  • エジガル・ジュニオ(DF):左膝前十字靭帯断裂、手術予定、全治未定
  • マルコス・ジュニオール(MF):右膝半月板損傷、手術済み、全治6ヶ月
  • エリキ(FW):左膝内側側副靭帯損傷、全治4週間

・鹿島アントラーズ

  • レオ・シルバ(MF):右膝前十字靭帯断裂、手術済み、全治8ヶ月
  • エヴェラウド(FW):左足首靭帯損傷、全治2週間
  • 遠藤康(MF):右足首靭帯損傷、全治3週間

・浦和レッズ

  • 槙野智章(DF):右膝半月板損傷、手術済み、全治4ヶ月
  • レオナルド(FW):左膝前十字靭帯断裂、手術予定、全治未定
  • 柏木陽介(MF):右足首靭帯損傷、全治2週間

・FC東京

  • 森重真人(DF):右膝半月板損傷、手術済み、全治5ヶ月
  • ディエゴ・オリヴェイラ(FW):左足首靭帯損傷、全治3週間
  • 中村航輔(MF):右肩関節脱臼、全治4週間

・セレッソ大阪

  • 山口蛍(MF):右膝前十字靭帯断裂、手術済み、全治9ヶ月
  • 西川周作(GK):左肩関節唇損傷、手術済み、全治5ヶ月
  • 松田力也(DF):左足首靭帯損傷、全治2週間

・ガンバ大

42.195kmを2時間以内に完走する|ナイキ厚底シューズ

現在のフルマラソンの最速記録は非公式記録ながら、リオ五輪の男子マラソン金メダリストエリウド・キプチョゲ選手がナイキのプロジェクトとして行われた条件の整えられた非公認レース「Breaking2」で出した2時間0分25秒。

”42.195kmを2時間以内に完走する”という限りなく不可能に近いとされるミッションに、限りなく近づいた。ナイキのプロジェクトというところからわかると思いますが、その大きな立役者がランニングシューズ。その系列の最新シューズが

ナイキ ヴェイパーフライ 4% フライニット!

先週行われた大迫選手ら「シカゴマラソン」の上位5人全員が、ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニットをはいていた。現在入手困難で、定価26000の倍以上で転売されている。そんな早く走れるならと高くても買いに走る40代50代のランナーも多いと思います(笑)

厚底4cmで足底の疲労感をやわらげ、カーボン入りのソールが推進力を生みだし、つま先が跳ね上がったウエッジ状の形状が体重移動をスムースにし、ランニング効率が平均「4%」あがるらしい。

走り方は以前から私も推奨してきたフォアフット走法、せめてフラット着地にしないと、こういう靴の性能は引き出せないと思います。フォアフットで走るためには腓腹筋ではなく,後脛骨筋を鍛えてください。後脛骨筋が弱いのに,足首で地面を蹴っていると腓腹筋が頑張ろうとしてふくらはぎの肉離れやアキレス腱炎,ひいてはアキレス腱断裂を起こしますので要注意!

PS高校生がよく起こすシンスプリント,脛骨疲労骨折,外脛骨障害のほか足底筋膜炎や外反母趾,偏平足すべて後脛骨筋が絡んでいます .ではまた!

 

後脛骨筋機能不全症|アキレス腱炎の原因

20120823 座った姿勢で足首をぴんと伸ばしてふくらはぎの筋肉(腓腹筋)を触ってみると,アキレス腱ともども腓腹筋は緩んでいることがわかります.

 体重をかけるとそれなりに収縮しますが,ふくらはぎの筋肉は足くびで地面を蹴る動作にはそれほど関与していません.

足くびを伸ばす動作,すなわち地面を蹴るのはアキレス腱や腓腹筋ではなく,足首周囲の後脛骨筋が大切な役割を果たします.

後脛骨筋腱機能不全症があると,腓腹筋やアキレス腱が後脛骨筋の代わりを果たそう(代償動作)とがんばるのですが,文頭で確認したとおり,足くびを伸ばそうとしても有効に働かず,アキレス腱炎やアキレス腱周囲炎,腓腹筋の肉離れを起こす原因 となると考えられます.