ランニングスタイル 2012年 07月号

Running Style(ランニングスタイル) 2012年 07月号 楽天ブックスで詳細を見る 雑誌Running Style(ランニングスタイル) の私の連載コーナー”ナン君にお任せ!-ランナーの痛み解消クリニック”が本号をもちまして,終了となります.

ランニングブームの沸き起こった2009年から,”ナンくんがずばりお答えします-ランナーのための痛み解消クリニック-”として始まった企画は,ビギナーランナーが直面するであろう,カラダの痛みについて,原因となるランニングフォーム,予防法,ワークアウトを含め,ランニング障害のほとんどを網羅し,解説させていただきました.

ランニングを愛好する人々に支えられ,3年の長きに渡り,記事掲載ができました事,応援いただいた皆様に感謝いたします.特にランニング・スタイル編集部の染矢真帆様およびスポーツライターの前田成彦様(Office221)には,毎回千葉まで足を運んでいただいての取材だけでなく,何回もの修正にも快く対応していただきました.ありがとうございました.

雑誌ランニング・スタイルは今後とも月刊誌としてビギナーランナーを応援していきます.また,私も一人一人のランナーと向き合いながら,診療を通して,個々のランニング障害を克服していきたいと思います.今後ともよろしくお願いいたします.

スマホ症候群|スマホを長時間つかうとストレートネックになる?


スマホなどの小さな画面を覗き込むようにみていると,健常人でも頚椎の生理的前彎が失われ,いわゆるストレートネックの状態を強いることになります.

肩こりのないスタッフに協力してもらい,レントゲンで確認してみました.右のレントゲン写真では頚椎側面像では理想的な頚椎の前彎を認めます.写真にカーソルを合わせせて前屈時の写真を見ていただければわかりますが,クビがまっすぐ伸びて,ストレートネックの状態になります.

ストレートネックの状態は,クビの前側の筋肉(斜角筋)が緊張している状態で,この姿勢を長時間続けると,肩こりを誘発しやすくなります.さらに,日常的に斜角筋がリラックスできない状態が続くと,筋肉が固まってしまい,慢性的な肩こり頭痛の原因となります.

若い女性は首の筋肉が弱いため,無症候性の場合も含め半数以上はストレートネックであるとも言われており,もともとストレートネックの人はよけい肩こりになりやすいといえます.全員がスマホを長時間つかうとストレートネックになるわけではありませんが,姿勢には注意したほうがよさそうです.

スマホで肩こりがひどくなったと思われる方はストレートネックスマホ症候群のページをご参照ください.

腰椎分離症の診断と治療|腰椎分離症の分離部の動きをレントゲンで見てみた

腰椎分離症は,成長期の過度な運動により起こす疲労骨折の一つと考えられています.腰で疲労骨折を起こす場所は腰椎の後方部分(右図黄矢印),椎間板の反対側で椎弓という部分.腰を反らすと骨折して炎症を起こしている部分が圧迫されて痛みを生じます.

ある程度腰椎分離がはっきりしてくると通常のレントゲンでも見つかることがあります.右図の分離症の写真にカーソルを合わせると後屈時の写真になりますが,後屈時は分離部の隙間が狭くなることがわかります.

通常分離していなければ動くことのない椎弓部分ですが,分離症では後屈させると,分離部(黄色の矢印の部分)がガバガバに動いています.この状態になると完全に治すこと(疲労骨折した椎弓部分が骨癒合して動かなくなること)は難しくなります.

腰椎分離症の治療は成長期であれば,骨癒合が期待できるので,硬いコルセットで腰を固定するのですが,数カ月にわたる運動禁止が必要となります.また運動禁止して固定していれば必ず治るというわけではありませんから,初期治療が大事になってきます.

腰椎分離症がレントゲンではっきりわかる時期はかなり進行した状態といえます.分離症の初期ではレントゲンやCT,MRIでもはっきりしませんが,理学所見である程度判断できますので,はやめにスポーツ整形外科を受診してください.