腰椎圧迫骨折|セメント注入

腰椎圧迫骨折バルーン療法暑い夏も終わり,勉強の秋.千葉でも研修会が目白押し.

当院で先進医療を行っているわけではありませんが,最新の医療情報に触れておくことは患者さんの治療の選択肢を広げる意味でも開業医といえど必須です.

昨日の研修会では,今まで治療が困難だった陳旧性腰椎圧迫骨折にラブ注入ならぬセメント注入療法が紹介されていました.当院にもときどき,この手術をインターネットで知った若い世代の方が,お母さんをつれてご相談に来られます.

わかりやすくセメント注入療法と紹介しましたが,正式にはバルーン椎体形成術(BKP)といい,背骨がつぶれてしまったいわゆる腰椎圧迫骨折に骨セメントを注入し,固まらせることで痛みを改善させる手術で,手術直後より痛みがなくなるというもの.現在のところ,急性期の圧迫骨折には適応がなく,背骨の骨折から8週間以上経過してもなお痛みと変形が続いている場合に適応があります.

2000年代前半から一部の施設で自費で行っていた手術ですが,2011年1月から健康保険適応となりました.受傷直後に行う施設もあるようですが今のところは陳旧例にかぎり行うよう推奨されています.

千葉県内でも千葉大学医学部附属病院他,4施設で手術を受けることが可能.詳細は骨粗鬆症性椎体骨折に対するバルーン椎体形成術(BKP)をご覧ください.

PS 夢のような治療法ですが,現在のところ手術適応(手術対象となる病状かどうか)はかなり限られています.最終決定は手術をする先生と相談される必要がありますが,いきなり大病院に殺到するのではなく,近くの整形外科医に評価してもらい,手術適応があるかどうかあらかじめご相談されることをお勧めします.