パティシエ|手首の外側の痛み

TFCC パティシエの仕事は、朝早くから夜遅くまでの長時間の立ち仕事で、細かい作業から力仕事までこなさなければならず、休みも少ない。…日本のパティシエの人数は年々減少傾向にあり、特に若手男性が減少しているという。それに代わるように女性の進出が目立つようになり、最近ではオーナーからスタッフまで全員が女性という菓子店も珍しくなくなってきている。(Wikipedia )

今週立て続けにパティシエの患者さんが手首の痛みで来院.皆同じ職場の方が口コミで次々とこられたのかと思ったものの,そうではなかった.

痛みの部位は皆同様に手首の外側(小指側)の付け根の痛みで,パティシエ特有の手の動きが手首の外側に負担をかけているのかと思い,どんな仕事か聞いてみた.

女子に大人気のスイーツ作りであるが,Wikiにも書かれているように,実際のところは結構な重労働らしい.まず作る量が半端ないこと.自分の子供達の誕生会のお菓子作りではないので当然といえば当然だが,朝から晩まで生地づくりで重いオーブンのトレイにさらに何十個も生地を載せて出し入れする.まずこれが若い女の子には大変な作業らしい.そして細かい同じ作業の繰り返しが手首の痛みに拍車をかける.これらが手首の外側の痛みを引き起こしていた.

レントゲン上異常のない場合がほとんどで,端々と診察結果や治療法を聞くと,積極的に手術してまで治したいと思う方は少なく,一旦治っても同じ作業を続けるとまた同じように手首の痛みが出るであろうと予想している様子.中には右上のレントゲン写真のように,右側の尺骨が生まれつき長く,手の手根骨(月状骨)を圧迫して骨が変形している方もおり,ドクターストップをかけなくてはいけない患者さんもおられました.

あと1か月でスイーツの大活躍するクリスマス,夢を売るパティシエたちの陰の苦労を思いやる診察でした.パティシエのみなさん,12月忙しくなるけど頑張ってくださいね!